sample#とは?
visualチームを率いるアートディレクター、辻 洋の創作形態。グラフィックデザイン専攻卒業制作作品として発表された映像Live作品「sample#0:start」(1999/03)を原形とし、1999年11月にパフォーマンス公演「sample#1:unlimited time」を発表。5年間の沈黙を経て、2004年11月にいよいよ「sample#2:variety life」が姿を現す。
sample#0: start / Collage of thought / search for identity
Performed in March,1998 / at Ome / Directed by Hiroshi Tsuji / Sound Design : Masaki Morishita
自己の回帰と共に他者の思想をコラージュすることにより、identityと世界を認識する過程を第三者に対し具現化する試み。他者の思想(サンプル)を収集し、取捨選択(コラージュ)することによって自己が形成されるという観点から、体験映像(記憶)と他者のインタビュー(思想のサンプル)を収集し、コラージュ(再構築)することにより、自己の探求を試みた。
独立した数台の多面モニター映像(記憶の再現・思想・テキスト映像)と立体音響システム(時の流れ[リズム・ノイズ]と他者の思想[インタビュー・声])によって、時の進む速度と私の経験と思考のコラージュを空間で具現化し、第三者に5感で体感してもらうことにより「Sample(一人の見本)」を提示した。
sample#1: unlimited time
Performed in November,1999 / at Atelier Fontaine
Scene Jockey Khaki Genes / Directed by Hiroshi Tsuji
Sound Design : Masaki Morishita / Dance Performed by Ema Takanohashi
Stage Performed by Khaki Geines, Noriyuki Nagai, Ayako Taguchi
Cosutume Design : Satoshi Otsuka, Aki, Maki / CG and Motion Graphics : Koichi Fukazu, Daiki Osada, Masahiro Koganei, Ryu Akiyama / Asistant Director : Takayo Ebato, Akira Watanabe, Miki Kobayashi
Sample Systemによって設定されたテーマは「時間」。「時間」はすべての人が主観的に、それ故に様々な形で捉えている諸要素の一つ。私達は各人の時間への概念をSampleとして取り出しコラージュし、映像・テキスト・CG・音響・演劇・舞踊によって「時間」に対する考察をし、客観に近づく事を試みた。
登場人物は、教授と助手と雑誌記者、そしてEMA。
人が産まれてから、死ぬまでの時間(その人が存在した範囲)。その人が誕生してからの記憶は、その人が死んだ時に消滅してしまうのか。人は時(宇宙)の中で何を目的に経験をするのか? 個々の記憶や歴史を水という溶液に記録し、EMAに注入しコピー(補完)していく。EMAは個人の時間軸とは関係なく、すべてを構成している宇宙の時間軸の中で、存在し続ける。
そういった教授の研究の中で、EMAという存在、そして彼女にコピーされていく情報に翻弄されていく助手。その研究を探る雑誌記者もまた、自分の記憶に翻弄される。教授がEMAを存在させた理由は? 助手がたどり着いた本来の人間の姿とは?
時間・記憶・生命・宇宙の存在が、クローン技術や物理生物学・深層心理学などを元に、個々人の主観によって複雑に交錯する。結論なんて一個人の解決でしかない。時は永遠に続く。
1997-2004 All Rights Reserved by Rel-ay Recombinatorial Entertainment Laboratory - and You!